ウェブにアーカイブされ続ける廃墟「ワンダーランド」
大変ご無沙汰しています。仕事で金沢に出張したついでに福井に寄って、前々から気になっていた場所に行ってみました。
福井県坂井市、日本海と平行に国道305号線を西に進むと右手にアミューズメントパークが見えてくる。
しかし、100台以上駐車可能な広大な駐車場を車が埋め尽くすことはなく、敷地内はひっそりと静まり返っている。
遊園地の名前は「ワンダーランド」。
どこにでもありそうな小さな遊園地は約30年前に地元企業によって開業したが、過去3度の事故が原因で施設の大半に使用禁止処分が下されたという記録が残っている。
現在では敷地内に大量の瓦礫と、錆びついた設備が残されたままだが、セグウェイの運転と、グラウンドゴルフが利用できる。
通常、廃墟となった施設は立入禁止が常だが、ワンダーランドは細々と運営を続けているため、施設内への立ち入りが可能だ。
※もちろん、場所によっては危険な箇所や立ち入りできない場所もある。施設内には常駐のスタッフがいないため、ウェブサイトに掲載されている問い合わせ先に詳細を確認されたい。今回の撮影も事前に問い合わせ確認の上、行っています。
唯一まともに整備されているグラウンドゴルフ場。この青々とした芝生も営業停止になれば、雑草が生い茂る空き地になるのだろうと想像せざるをえない。
かつてインラインスケートが利用できたからなのか、シューズが片方だけ放置されていた。
かつてサバイバルゲーム場として運営されていた時期もあったらしく、地面には大量のBB弾が散乱していていた。
ワンダーランドに訪れるのはグラウンドゴルフに興じる地元のお年寄りと、本来の目的とは異なるアミューズメント要素に魅了された私のような人間しかいないようだ。
私が訪れた日は7,8人の老人がグラウンドゴルフに興じていた。撮影していると激しい雨が降りはじめた。適当な屋根の下で雨が止むのを待っていたら、彼らはタクシーを電話で呼び、早々に去っていった。
程なくして雨が止むと国道を走る車の走行音だけが遠くから聞こえるだけで、遊園地とは程遠い時間が流れていた。
ゴミ捨て場となったプール。脇にあるロッカーにはBGMに使われていたのだろうか、アンパンマンのCDがホコリを被った状態で捨てられていた
ウェブサイトに残された在りし日の映像を見た後に、今の様子を自分の目で見ると、なんとも言えない気持ちになる。
かつての様子
2018年6月時点の様子
今もかろうじて運営されていることもあり、YouTubeやTwitter等に投稿が絶えないのもワンダーランドの面白い点だ。ウェブにアーカイブされ続ける廃墟こと「ワンダーランド」。
興味のある人は入場可能なうちに行くことをおすすめしたい。
全てが吹きっさらし、雨ざらしなので、あなたが来る頃には僕が見た景色とは若干違う状態になっているだろう。
行き場を失ったかのように見えるダチョウ
大人の事情
130枚分回数券に投げやり感を感じる